相対取引(あいたいとりひき)とは
取引所を介さずに売り手と買い手が直接取引すること。取引価格は双方の合意によって決定します。FXも業者が価格を提示し、顧客が数量を指定して注文する相対取引です。
※相対取引は「そうたいとりひき」とは読みません。
相対取引(あいたいとりひき)は、金融市場や商品市場において、売り手と買い手が直接交渉して取引を行う形式を指します。これは、取引所を介さないため、通常の市場価格に縛られることなく、双方が合意すれば取引が成立するのが特徴です。
例えば、AさんがBさんに対して、特定の株式を1株1000円で売りたいと提案し、Bさんがその価格で購入することに同意すれば、相対取引が成立します。これにより、双方のニーズに合わせた柔軟な価格設定が可能となります。
FX(外国為替証拠金取引)も相対取引の一種です。ここでは、取引業者が顧客に対して買値(ビッド)と売値(アスク)を提示します。例えば、ある業者がUSD/JPYの為替レートを、買値108.50円、売値108.55円と提示したとします。顧客はこのレートを見て、例えば10,000ドルを購入したい場合、108.55円で購入することになります。このとき、業者と顧客の間で直接取引が成立するわけです。
数値的な具体例として、以下のシナリオを考えてみましょう。
株式の相対取引:
Aさんが保有するXYZ株式会社の株式を1株5000円で売却したいと考えています。
Bさんはその株式を購入する意思があり、Aさんに直接交渉を持ちかけました。
両者が合意し、Bさんが1株5000円で100株を購入することに決まりました。
この取引の総額は500,000円になります。
FXの相対取引:
取引業者が顧客に対して、EUR/USDのレートを1.1200(買値)/1.1205(売値)と提示しています。
顧客は10,000ユーロを購入したいと考えています。
顧客は提示された売値1.1205で取引を行うことに同意しました。
この取引により、顧客は10,000ユーロを11,205ドルで購入することになります。
相対取引の利点は、取引所の制約を受けないため、特定の条件やニーズに応じた柔軟な取引が可能であることです。しかし、取引価格が市場価格と異なる場合があるため、十分な市場調査と交渉力が必要です。特にFX取引においては、スプレッド(買値と売値の差)によるコストが発生するため、取引業者の提示価格を慎重に確認することが重要です。
