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【FX用語集】薄商い(うすあきない)

薄商い(うすあきない)

薄商い(うすあきない)とは、金融市場において取引量が通常よりも少ない状態を指します。この状態では、売買の注文が少なく、流動性が低下するため、相場の動きが鈍くなることが一般的です。薄商いは通常、休日や長期休暇の前後、または年末年始など、投資家が市場から一時的に離れる時期に見られます。これにより、市場全体の活発さが欠け、取引が停滞しやすくなります。

薄商いが起こる要因

長期休暇や祝祭日:

お盆、クリスマス、年末年始などの長期休暇期間には、多くの投資家や機関投資家が休暇を取るため、取引量が減少します。このような期間は、相場の動きが鈍化しやすく、取引が少ないため、薄商いが生じやすくなります。

重要な経済指標の発表前:

重要な経済指標(例: 米国雇用統計や中央銀行の政策発表)が発表される前には、投資家が様子見をするために取引を控えることが多く、薄商いとなります。投資家は、これらの指標発表後に市場がどのように反応するかを見極めてから行動を起こすためです。

市場の特定のセグメントでの休業:

例えば、日本市場が祝日で休場しているときに、アジア市場全体で取引量が減少することがあります。また、欧州市場や米国市場が休業しているときも、同様に取引量が減少します。

市場参加者の減少:

特定の時期やイベントによって、市場参加者が少なくなると、取引量が減少します。例えば、政治的不安定や自然災害などの要因により、投資家がリスクを回避するために市場から一時的に離れることがあります。

薄商いの影響

価格変動の鈍化:

薄商いの際には、取引が少ないために価格がほとんど動かなくなることが多いです。投資家が買い手や売り手を見つけるのが難しくなり、結果として価格が安定します。

一方的な価格変動:

薄商いの状態では、突然のニュースや突発的なイベントが発生した場合、少数の取引によって市場が一方的に動くことがあります。これは、市場の流動性が低いため、大口注文が相場に大きな影響を与えることがあるからです。

スプレッドの拡大:

薄商いの期間中は、取引量が少ないために買い手と売り手の間の価格差(スプレッド)が広がる傾向があります。これにより、投資家は売買コストが増加し、取引がさらに減少する可能性があります。

市場の不確実性の増加:

薄商いの期間中は、価格の動きが小さいため、投資家が次の大きな動きに備えるのが難しくなり、市場の不確実性が増します。

数値的な具体例

例1: 日本の年末年始の薄商い

シナリオ: 日本市場は年末年始の長期休暇に入ります。この期間、日本株の取引量は通常の1日当たり1億株から5000万株に半減しました。取引量が減少することで、日経平均株価はほとんど動かず、22500円前後で安定しました。

具体的なデータ:

通常の取引量: 1日当たり1億株

薄商いの取引量: 1日当たり5000万株(50%減少)

日経平均株価の動き: 22400円から22600円の間で推移(±0.89%の範囲内)

例2: クリスマス休暇期間の欧州市場

シナリオ: クリスマス休暇中、欧州市場では取引量が通常の50万ユーロから20万ユーロに減少しました。市場は静かで、主要な株価指数もほとんど変動が見られませんでした。欧州の主要株価指数であるユーロ・ストックス50は、3日間にわたり3500ポイントから3510ポイントの範囲で推移しました。

具体的なデータ:

通常の取引量: 1日当たり50万ユーロ

薄商いの取引量: 1日当たり20万ユーロ(60%減少)

ユーロ・ストックス50の動き: 3500ポイントから3510ポイントの間で推移(±0.29%の範囲内)

例3: 突発的な事件による薄商い

シナリオ: 突発的な地政学的リスクが発生し、投資家がリスクを回避するために市場から撤退しました。この影響で、米国のS&P500指数の取引量が通常の5000万株から1000万株に減少しました。このような薄商いの中、重要な政治家の発言によって市場が一方的に動き、S&P500指数は2900ポイントから2700ポイントまで急落しました。

具体的なデータ:

通常の取引量: 1日当たり5000万株

薄商いの取引量: 1日当たり1000万株(80%減少)

S&P500指数の動き: 2900ポイントから2700ポイントに下落(6.9%の下落)

テクニカル分析からの視点

移動平均線

移動平均線(MA: Moving Average)は、一定期間の価格の平均値を算出し、価格のトレンドを把握するためのテクニカル指標です。薄商いの期間中は、移動平均線に関連するシグナルが出にくくなります。

短期移動平均線と長期移動平均線:

例えば、薄商いの期間中に20日移動平均線と50日移動平均線が交差することはほとんどありません。薄商いのために価格が狭いレンジ内で推移するため、トレンドが発生しにくくなります。

ゴールデン・クロスとデス・クロス:

取引量が少ないと、移動平均線がゴールデン・クロス(上昇トレンドのシグナル)やデス・クロス(下降トレンドのシグナル)を形成する可能性が低くなり、価格の動きが限定されます。

オシレータ

オシレータは、価格の過熱感や売られ過ぎ・買われ過ぎを示すための指標で、薄商いの期間中に市場の動きを予測するのに役立ちます。

RSI(Relative Strength Index):

RSIは0から100の範囲で示され、通常70以上で買われ過ぎ、30以下で売られ過ぎを示します。薄商いの期間中は、RSIが50付近で停滞することが多く、価格の極端な変動が少ないため、トレンドを示すシグナルが出にくくなります。

MACD(Moving Average Convergence Divergence):

MACDは、短期と長期の移動平均線の差を用いてトレンドを分析しますが、薄商いの期間中はトレンドが発生しにくいため、MACDのシグナルもあまり参考にならないことが多いです。

薄商いの活用方法

リスク管理:

薄商いの期間中は、価格の急激な変動が起こりにくいため、リスク管理の観点から大きなポジションを持たずに市場の様子を見ることが重要です。

スキャルピング:

薄商いの期間中は、価格の変動が小さいため、短期的な取引で利益を狙うスキャルピング戦略が有効です。ただし、スプレッドが広がる可能性があるため、取引コストに注意する必要があります。

相場観測:

薄商いの期間は、次の大きな動きを予測するための相場観測に適しています。経済指標の発表や重要なイベント後に市場がどう反応するかを見極めるために、相場の動向を注視することができます。

薄商いのまとめ

薄商いは、取引量が少なく、市場の流動性が低下している状態を指します。この状態では、価格変動が小さくなる一方で、突発的なニュースや事件が発生した際には、取引量の少なさが原因で相場が一方的に動くリスクもあります。移動平均線やオシレータなどのテクニカル指標を活用することで、薄商いの期間中に市場の動向をより詳細に把握し、リスクを管理しつつ適切な投資戦略を立てることが重要です。

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